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観仏日々帖

古仏探訪~2018年・今年の観仏を振り返って 〈その2〉 6~9月  【2018.12.29】


〈その2〉 では、6月から9月までまでの、観仏のご紹介です。

【6月】



【木津川、笠置方面の初探訪のお寺、3か所へ】


奈良市内で同窓会に出かけたついでに、笠置方面に出かけてみました。
高田寺、法明寺、笠置寺を訪れました。

いずれも、一度は訪ねてみなければと思っていたのですが、ちょっと不便なところにあるので、機会がなかったのです。
レンタカーを借りて、一人で出かけました。

木津・笠置方面観仏探訪先


〈院政期の薄幸歌人・藤原実方朝臣を偲ぶ、穏やかな藤原仏~高田寺・薬師如来像〉


まずは、木津川市加茂町にある高田寺です。

高田寺・本堂
高田寺・本堂

高田寺には、平安後期、保安年間(1120~24)の造立であることが知られる薬師如来像があります。
こじんまりした堂でしたが、そこに二体の坐像が、並んで安置されていました。

高田寺本堂に祀られる薬師如来、阿弥陀如来像
高田寺本堂に祀られる薬師如来、阿弥陀如来像

ご本尊の薬師如来像は、昭和48年(1973)の修理の時に、台座敷茄子の受座裏面から、「保安」云々の墨書などとともに、薄幸の晩年を送った歌人、藤原実方朝臣の和歌の散らし書きが発見されたことで知られています。

高田寺・薬師如来像
高田寺・薬師如来像

拾遺和歌集に載せられる
「五月やみくらはし山のほととぎすおぼつかなくもなきわたるかな」
という和歌です。

仏像の台座の見えないところに、薄幸歌人を偲ぶような和歌などが記されるというのは、いかにも院政期の古典趣味を思わせます。
仏像のお姿も、いかにも院政期を思わせる定朝様の穏やかな藤原仏でした。

隣には、鎌倉前期くらいかなと思われる阿弥陀如来像が祀られていました。

ひっそりとしたお堂の中で、温和な薬師、阿弥陀の坐像を拝していると、何やら落ち着いた気持ちになりました。


〈なら仏像館でお馴染の「法明寺の仏像」が祀られていた薬師堂へ~茅葺の趣あるお堂〉


この後は、笠置町上有市にある法明寺へ寄ってみました。

法明寺の仏像は、奈良国立博物館に寄託されています。
なら仏像館へ行くと、法明寺の釈迦如来像、吉祥天像がいつも展示されていますので、覚えていらっしゃる方も多いのではないかと思います。
平安時代の中期ぐらいの一木彫像です。
結構アクが強くて独特の迫力があり、惹き付けるものがある仏像です。
折角、笠置まで来たので、この仏像が祀られていた法明寺の薬師堂を見ておこうかと思ったのです。

趣ある茅葺の法明寺・薬師堂
趣ある茅葺の法明寺・薬師堂

なかなか趣のある、茅葺屋根の鄙びたお堂でした。
普段は訪ねる人もないお堂ですが、この茅葺のお堂を維持管理してゆく地元の人たちは、結構大変なのだろうなとの思いを致しました。


〈一度見て観ておきたかった、笠置寺の奈良時代の巨大摩崖弥勒仏「痕跡」〉


さて、次は、笠置山の山上にある笠置寺まで山登りです。
大変に急な曲がりくねった上り坂で、本降りの雨が降る中、車がスリップしそうで怖いぐらいです。
車も、喘ぎあえぎ上り、やっと山上につきました。

笠置寺・山門入口
笠置寺・山門入口

笠置寺は磨崖仏の巨大な弥勒仏を本尊とする寺で、白鳳時代の開創と伝えられています。
平安時代以降、弥勒信仰の聖地として栄えました。
笠置山山中の至るところに花崗岩の巨岩・奇石が露出し、古くから山岳信仰、巨石信仰の霊地であったといわれ、山伏の修行場となっていました。
弥勒摩崖仏は戦火で損傷して、姿が見えなくなってしまっていますが、奈良時代の制作とされているのです。

この奈良時代の弥勒摩崖仏の「痕跡?」を一度この目で確認しておきたかったのです。

こんな雨の中を、わざわざ山の上まで訪ねてくる人は、誰もいませんでした。
拝観受付も閉じられていて、
「今日は悪天候のため、足元にはくれぐれも気を付けて、ご自由にお参りください。」
という張り紙が出されていました。

弥勒摩崖仏は山門からしばらく歩いた、正月堂というお堂の前にありました。

正月堂まえの巨岩に刻された笠置寺・弥勒摩崖仏
正月堂まえの巨岩に刻された笠置寺・弥勒摩崖仏

すごくでかい岩が、眼前に迫ってきて、圧倒されます。
岩の高さ15メートルという花崗岩の巨岩に、10メートル以上の光背が刳られています。

戦火で線刻の痕跡すらなくなった笠置寺・弥勒摩崖仏
戦火で線刻の痕跡すらなくなった笠置寺・弥勒摩崖仏

線刻されていたという弥勒仏像の姿はすっかり無くなってしまっています。
眼を凝らしても、線刻の痕跡すら見えません。
鎌倉幕府打倒を企てた後醍醐天皇が、笠置山に籠って挙兵した元弘の乱(1331)の時、幕府軍の攻撃で笠置山の堂塔はことごとく焼亡します。
この時、弥勒摩崖仏は兵火を浴び、その火熱によって、石の表面が全て剥離してしまったということです。

室生の大野摩崖仏は、この笠置の弥勒摩崖仏の図様を写したものだそうです。

室生・大野摩崖仏
室生・大野摩崖仏

刳られた光背の中の何も見えない岩の表面に、弥勒の立ち姿を心の中に描きながら、大伽藍であった往時や、戦火の炎に弥勒像が包まれた有様に思いを致しました。


〈のびやかな線刻で存在感ある、岩壁に刻された虚空蔵摩崖仏〉


少し離れたところの岩壁には、もう一つの摩崖仏「(伝)虚空蔵摩崖仏」があります。
これまた10メートルほどの岩面に線刻されています。

笠置寺・伝虚空蔵摩崖仏
岩壁に刻される笠置寺・伝虚空蔵摩崖仏

恐ろし気な岩壁に張り付いたような細道から見上げるように眺めるだけで、正面から全体を拝することは出来ません。
こちらの方は、線刻がはっきりと遺っていて、その姿が良くわかります。

笠置寺・伝虚空蔵摩崖仏
笠置寺・伝虚空蔵摩崖仏

制作時期は、奈良時代から平安後期まで、諸説があるようですが、のびやかな線で刻された、堂々たる存在感を感じさせ、なかなか魅力的です。
迫力十分、一度は必見の、立派な摩崖仏像です。

ここから先は、30~40分かけて、巨岩、奇岩が続く「行場めぐり」ということなのだそうです。
本降りの雨の中ではちょっと危なそうな感じです。
「胎内くぐり」と称される岩場の穴のようなところまで行って、引き返しました。

笠置寺~「胎内くぐり」と称される岩場
笠置寺~「胎内くぐり」と称される岩場


【同窓会メンバーで、南山城古寺と松花堂昭乗庭園へ~昼は松花堂弁当】


この日の夜は同窓会で奈良に一泊。

翌日は、皆で、南山城の蟹満寺、観音寺を訪ねました。
観音寺は10年ぶりぐらいでしょうか。
久しぶりに、聖林寺十一面観音像と兄弟仏などといわれる、国宝・木心乾漆観音像をじっくりと眼近に拝することが出来ました。

確かにスタイルはよく似ていますが、

聖林寺像は「凛としたますらおぶり」、観音寺像の方は「和らぎある青年の抒情」

というようなキーワードが、それぞれに似合っているような気がしました。

この後は、「松花堂弁当」の名で知られる、松花堂庭園へ。

松花堂庭園
松花堂庭園

京八幡市にあり、石清水八幡あたりにあった松花堂昭乗(1582~1639)の草庵を移築した立派な庭園、美術館になっていました。

松花堂昭乗の草庵
松花堂昭乗の草庵

昼食はもちろん「松花堂弁当」。
なんと、京都吉兆が出店していました。



【8年ぶりに京博に展示された、安祥寺・五智如来像と再会へ】


同窓会解散後は、京都で一泊。

京都国立博物館によって、久方ぶりに出展された、安祥寺五智如来像を見てきました。
長い間、京博本館の一階の正面に、「仏像展示の顔」のように置かれていましたが、2009年に本館が建て替え工事に入ってからは、その姿を観ることが出来なくなっていました。

京博旧本館に展示されていた頃の安祥寺・五智如来像
京博旧本館に展示されていた頃の安祥寺・五智如来像

2014年の平成知新館竣工後も、国宝になった大阪・金剛寺の大日如来像と不動明王像の二体の巨像が彫刻展示室の正面にドーンと展示されていましたが、今年、金剛寺に戻されました。
この間に修理が行われていた安祥寺五智如来像が、8年ぶりに彫刻展示室に展示されることになったのです。
本像は、山科安祥寺を開山した入唐僧・恵運(798-869)の造像で、いわゆる承和様式に連なる850年代の制作とされ、平安前期の彫刻史上、重要な位置を占める仏像です。

五体の大きな如来像が、大日像を中心に横一列に展示されていました。
大きさだけでも圧力感があります。(像高~中尊大日像:160㎝、脇4尊:110㎝)
久方ぶりの再会で、懐かしく観ることが出来ました。
東寺講堂諸像や観心寺・如意輪像、神護寺・五大虚空蔵像の少し後の時期の仏像と云うことですが、良く言えば「大陸風」、素直に言えば「ちょっと緩んだ間延び感」を感じるという処でしょうか。



【せっかくの京都、ちょっと気ままに街歩き】


せっかくの京都という処で、仏像を離れて、ちょいと街歩き。
祇園の「何必館」、一乗寺の「恵文社」、「詩仙堂」、「圓光寺」などに行ってみました。


〈心静かに落ち着ける祇園のど真ん中の「何必館」~私のお気に入り〉


「何必館」(かひつかんと読みます)は、梶原芳友氏の個人美術館です。

何必館
祇園の真只中にある何必館

お気に入りで、時間の空きがあれば、必ず訪ねています。
祇園の四条通に面してあるのですが、ここだけは訪ねる人も少なく、ひっそりと落ち着いた空間です。
写真家「エリオット・アーウィットの世界」という展覧会をやっていました。
なんといっても安らぐのは、最上階5階の「光庭」。

何必館最上階にある「光庭」
何必館最上階にある「光庭」

此処のソファーに腰かけて、ボーっとしていると、時のたつのも忘れて心静かになれます。


〈叡山電鉄一乗寺にある、本好きが憧れる本屋さん「恵文社」〉


「恵文社」は、叡山電鉄一乗寺駅の近くにある本屋さんです。
知る人ぞ知るというか、本好きの人ならきっと知っているという「本屋さん」です。

一乗寺の本屋「恵文社」
一乗寺の本屋「恵文社」

ユニークな選書、棚揃えと、センスの良い店内が本好きの心をくすぐるお店です。
品ぞろえがマニアックというか、オリジナリティー溢れるというか、店主の趣味のカテゴリーでテーマ別にセレクトされた本が並んでいます。
私の好きなコーナーには「澁澤武彦」「山尾悠子」「中井英雄」「種村季弘」「塚本邦雄」などといった名前の本が、ずらりと顔を並べていました。
他の書店では、まず見かけません。

京都のかなり街外れにあるのですが、2010年には、イギリスのガーディアン紙が選ぶ「世界で一番美しい本屋10」に日本で唯一ランクインしたという書店なのです。
一冊も買わずに店を出たのですが、並べられた本の表紙を眺めているだけで、一杯の満足感に浸ることが出来ました。

「これでちゃんとビジネスになっているのだろうか?」

と、ちょっと心配になりましたが・・・・・・

本屋さんの隣に「恵文堂ギャラリー」というのがあって、陶芸やアクセサリーなどセンスの良い新進作家の作品の展示販売がされていました。

恵文社ギャラリー
恵文社ギャラリー

丁度梅雨時、季節にマッチしたカタツムリと紫陽花のぐい飲みが気に入りました。
若い女性作家が薦めてくれたので、つい一つ買ってしまいました。

ギャラリーで買ったカタツムリと紫陽花のぐい飲みギャラリーで買ったカタツムリと紫陽花のぐい飲み
ギャラリーで買ったカタツムリと紫陽花のぐい飲み



【7月】



【東博の企画展「江戸の仏像から近代の彫刻へ」~整って巧い江戸の仏像】


ちょっと海外旅行へ出かけていたりしていて、仏像は、東博の「江戸の仏像から近代の彫刻へ」という特集展を見に行っただけでした。
収蔵寄託品のなかから江戸時代から明治以降の彫刻作品を選び出し、その転換点についてみてみようという展示です。

「仏像彫刻は、鎌倉時代でおしまい。」

というのが、日本美術史の常識という感じですが、江戸時代の仏像作品を見るという機会もあまりないだろうと思って、出かけてみました。
なかなかに、きれいに整った造形で、「巧い」という言葉がフィットするように感じました。

東博蔵・如来像(江戸時代)新納忠之介作~中尊寺・一字金輪像模造(明治30年)
展示されていた仏像
(左)東博蔵・如来像(江戸時代)、(右)新納忠之介作~中尊寺・一字金輪像模造(明治30年)


月例講演会、「江戸の仏像と近代の彫刻」(西木政統氏講演)も、聴いてきました。
廃仏毀釈や明治の仏像模造制作と博物館展示についての話もあり、興味深く聴かせていただきました。



【8月】


猛暑、酷暑で、何処へも出かける気になれません。
ニュースや天気予報などで、
「非常に危険な暑さで・・・・ 命を守る行動を取ってください」
などと、アナウンサーがしゃべっているのを耳にすると、益々大人しくしていようかと思ってしまいます。

8月も、仏像を観に行ったのは、一つだけでした。


【一度拝したかった勝林寺・釈迦像(平安前期)に対面~金沢文庫で特別公開】


金沢文庫に、東京都豊島区にある勝林寺・釈迦如来像が特別公開されました。
平安前期、9世紀に遡る関東最古級の木彫像とみられている像です。
一度は拝してみたいと、気になっていた未見仏像です。

暑くても、これは出かけねばなりません。

普段は公開されておらず、今回の金沢文庫での展示が、初公開になるものです。
像高50.5㎝、内刳りのない一木彫像です。
1993年に、豊島区の区指定文化財に指定されています。

金沢文庫では、ガラス越しではありましたが、眼近にじっくりと観ることが出来ました。

勝林寺・釈迦如来像勝林寺・釈迦如来像
勝林寺・釈迦如来像

間違いなく平安前期の像です。
頭部の大きな小檀像風の造形ですが、ボリューム感と締まりがあって、衣文の彫り口もなかなかです。
以前の写真では、全体がべったりと漆箔で覆われて、ちょっと鈍さを感じた造形だったのですが、その後の修理によって肉身部が素地の古色にされたようです。
シャープさがグッと前面に出て、平安前期彫刻の魅力が大幅に増したように思います。
上半身に比べて膝前の造形がちょっと弱いように思えて、気にはなりましたが・・・・・・

像容で注目されるのは、左足先まですっぽりと衲衣で包む形式です。
このスタイルは、唐の影響を受けた天平後期の形式を継承しているとみられています。
天平期~平安前期の如来像では、唐招提寺・廬舎那仏像、京都和束町薬師寺・薬師如来像、蟹満寺・阿弥陀如来像、大阪獅子窟寺・薬師如来像が、すっぽりと衣で足先を包んだ像として知られています。
このスタイルを見ても、奈良様を継承する平安前期の古像であることが知られるのではないかと思います。

酷暑の中、金沢文庫まで出かけてきた甲斐がありました。



【9月】


今月も、観仏探訪には出かけることはありませんでした。
不精になってきたのか、観たい処がなくなってきたのか、奈良、京都へも出かける頻度が減ってきてしまいました。
美術館、3か所で仏像を観ただけでした。


【多摩美大美術館企画の特別展で、播州・加東市の古仏を愉しむ】


多摩美術大学美術館で開催された「加東市×多摩美 特別展~神 仏 人 心願の地」に出かけました。

「加東市×多摩美 特別展~神 仏 人 心願の地」展チラシ

加東市といわれても、ちょっとなじみがないかもしれませんが、兵庫県神戸市から北西に25キロほど、浄土寺のある小野市の北、東播磨地方にある町です。
今回の特別展は、この加東市の伝統、文化財を多摩美術大学がタイアップして紹介するという企画展でした。
仏像も十数躯が出展されていました。


〈秘仏・朝光寺千手観音像が出展~野趣をとどめる平安古仏〉


一番の愉しみは、朝光寺の千手観音像(県指定文化財)が出展されていることです。

朝光寺に2体ある本尊・千手観音像のうち、東本尊と呼ばれているもので、平安後期の制作です。
西本尊は、京都三十三間堂の千手観音像の一体であったものが、いずれの時期に当寺にもたらされたもので、鎌倉時代の制作です。
いずれも秘仏で、普段は拝することが出来ません。
これはグッドチャンスと出かけたのでした。

穏やかさを感じるものの、地方的な野趣をしっかりと感じる仏像でした。

朝光寺・千手観音像
朝光寺・千手観音像

お顔の彫り口に森厳な雰囲気を少しとどめています。
「頭部から裳裾までをヒノキ材で彫る一木造で、11世紀の制作」
という解説になっていましたが、納得という処です。


この他に、ちょっと目を惹いたのは、
東瀬古地区・地蔵菩薩像(市指定文化財)と、播州清水寺の大日如来像(無指定)でした。

東瀬古地区・地蔵菩薩像は、粗野ですが野太さのある一木彫像です。

東瀬古地区・地蔵菩薩像
東瀬古地区・地蔵菩薩像

内刳りはされているものの、頭から足ホゾ迄一木で造られており、11世紀の制作とされるものの古様感を残す仏像でした。


〈この日観た仏像で、一番の出来と感じた、播州清水寺・大日如来像(鎌倉)〉


播州清水寺の大日如来像は、無指定ですが、私は、大変見どころのある仏像だという印象を受けました。

播州清水寺・大日如来像播州清水寺・大日如来像
播州清水寺・大日如来像

五智如来の中尊として祀られているそうです。
鎌倉時代の制作ですが、体躯のバランス、プロポーションがなかなか良いのです。
側面から見た肉付け、造形バランスは、腕の良い仏師の手になるように思わせます。
この日、観た仏像のなかでは、この大日如来像の出来が一番だと思いました。


まず訪れることはないであろう加東市の古仏をいくつも観ることが出来た、嬉しい展覧会でした。



【今春オープンの半蔵門ミュージアムへ~話題の運慶作?大日像を展示】


半蔵門にオープンした「半蔵門ミュージアム」に寄ってみました。

半蔵門ミュージアム
半蔵門ミュージアム

真如苑所蔵の仏教美術品が展示されている文化施設で、今年の4月にオープンしました。
あの運慶作とみられる大日如来像が展示されています。
10年前、クリスティーズのオークションに出品され、14億円という巨額で落札され、世間を賑わした、あの大日如来像です。

真如苑蔵・大日如来像
真如苑蔵・大日如来像

ミュージアムは、新しくきれいなビルの中にあって、地下一階から3階まで、展示室のほかにラウンジ、シアターホール迄あり、落ち着いた静かな空間になっています。
大日如来像は単独で展示されていて、ゆっくりと鑑賞することが出来ました。

その他にも、鎌倉時代の不動明王坐像のほか、インドの古代仏像や日本の仏画などが展示されています。



【サントリー美術館で開催の「京都・醍醐寺展」へ】


サントリー美術館で開催された「京都・醍醐寺~真言密教の宇宙」展に行ってきました。

「京都・醍醐寺~真言密教の宇宙」展チラシ

出展された仏像の主だったところは、醍醐寺の霊宝館で観ることが出来ますし、4年前、2014年に奈良国立博物館で開催された「醍醐寺のすべて」展に出展されていますので、目新しいものはなかったのですが、醍醐寺の主な仏像が団体で出展されるとなると、出かけないわけにはいきません。

仏像は、国宝の薬師三尊像、檀像・虚空蔵菩薩像をはじめ、如意輪観音像、五大明王像(元中院安置)ほか、十数躯が出展されていました。


〈いろいろな高さ、角度から醍醐寺薬師像を観るという、得難い体験~やはり優作、傑作を実感〉


一番の収穫は、あの大きな薬師三尊像が、4階から3階のフロアーへ降りる階段の先の、真正面に展示されていたことでした。

醍醐寺・薬師如来像
醍醐寺・薬師如来像

少し離れてはいるものの、階段の途中から薬師像を見ることが出来、眼の高さを変えてその姿を観ることが出来たのです。
見下ろし気味の角度から仰ぎ見る角度まで、いろいろな角度から鑑賞できたのです。
これは、なかなか得難い体験でした。
観る高さが違うと、これほど顔の厳しさや体躯のボリューム、バランス感が違って見えてしまうのかというのが、今更ながらに驚きでした。

醍醐寺・薬師如来像
醍醐寺・薬師如来像

大きな仏像ほど、観る高さや角度で、見え方、印象が変わってくるというのは理屈では判ってはいたのですが、その違いを実感することが出来ました
そして、こうして観れば観るほどに、醍醐寺・薬師三尊像は優作、傑作なのだというのを再認識した次第です。



「2018年・今年の観仏を振り返って」、年内はここまでにさせていただきたいと思います。

残りは、年越しになってしまいますが、来年もまた、よろしくお願いします。


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