観仏日々帖

古仏探訪~今年の観仏を振り返って〈その1〉  【2014.12.14】


「観仏日々帖」、ご覧いただき、有難うございます。

2014年も師走に入り、間もなく新たな年を迎えるといった頃になってきました。
お陰様で、今年も健勝で過ごすことが出来、観仏探訪にも精を出すことが出来ました。

この一年、仏像一辺倒というわけではなくて、いろいろなことに手を出したり、海外旅行にも出かけたりはしましたが、
結局の処は、「観仏三昧的生活」といっても良いのかもしれません。

そこで、一年を締めくくるにあたって、今年、どのような古寺を訪れ、どのような古仏を拝したのかを、「総まくり」で振り返ってみることにしました。

私の「観仏探訪先と、その折の一言感想」を、月を追ってご紹介、振り返ってみようかと思います。

私個人の観仏探訪記録などは、面白くもなんともないかと思いますが、ちょっとお付き合いいただければ、有難く存じます。


【2月】

新年1月は、観仏はお休み。

2月に入ると、もう観仏禁断症状が発症。
ウズウズしてきて、摂津方面、葛城方面観仏探訪へと出かけました。
同好4人、一泊二日の観仏旅行でした。

摂津方面の探訪先は、ご覧のとおりです。
摂津・高槻市の、見どころある平安古仏を訪ねました。

摂津観仏探訪先

摂津観仏の一番の目的は、霊松寺・十一面観音立像の拝観でした。

この仏像は、井上正氏が「古密教仏巡歴」に採り上げられている古仏です。
例のごとくですが、

「本像は、むしろ八世紀における奥行きの浅いタイプの等身大代用檀像の一例と考えられ、したがって天平年間行基の創建となす寺伝は、本像の造立年代を考える上で、一つの可能性を示すものといってよいであろう。」

と述べられている仏像です。

この文章が書かれた頃(1987~9)には、大阪府三島郡島本町の「釈恩寺」に祀られていました。

釈音寺・十一面観音立像...釈音寺・十一面観音立像
釈音寺・十一面観音立像~三島郡島本町の「釈恩寺」に祀られていた頃の写真

調べてみると、釈恩寺は廃寺となっていました。
今は親寺である高槻・霊松寺に引き取られていることがわかったのです。

勇んで出かけました。
拝して観て、びっくりしてしまいました。
近年の修理によって、全身金色に仕上げられ、面貌、体躯、衣文も相当に手が加えられていたのです。

霊松寺(旧釈音寺)十一面観音立像
全身金色に仕上げwられた霊松寺(旧釈音寺)十一面観音立像

「ご立派な姿に復された。」

ということになるのでしょうが、平安古仏愛好家にとってみれば、
「誠に残念、古い写真のようなお姿そのままにしておいてほしかった。」
という処です。
正直、がっかりの霊松寺(釈恩寺)・十一面観音像、拝観となりました。


廣智寺・十一面観音像は、

「長岡京時代・平安初期の唐風色濃いエキゾチックな表現の仏像」

と思われる仏像。

廣智寺・多臂観音菩薩立像
廣智寺・多臂観音菩薩立像

再訪となりましたが、大変興味深く、強く惹き付けられる仏像でした。
この仏像は、観仏日々帖「古仏探訪~大阪高槻市・廣智寺の多臂観音菩薩立像」で、紹介させていただきました。

もう一つ、注目したのは、本山寺・大日如来坐像
予定外でしたが、突然のお願いで拝させていただきました。

本山寺・大日如来坐像..本山寺・大日如来坐像
本山寺・大日如来坐像

無指定で、殆ど知られていない像ではないかと思います。
本堂に目立たずに祀られており、「川久保の廃円長寺」に在った像だそうです。
結構磨滅していますが、唐招提寺講堂の薬師如来のお顔を想起させるような古様な像です。
造形の迫力も十分です。
興味深い、注目の古仏でした。


翌日は、葛城方面です。

葛城方面観仏探訪先

ご覧のとおりの観仏先です。

この中では、なんといっても、下永区・八幡神社の地蔵菩薩立像、宮古区の薬師如来坐像が、出色の魅力あふれる平安古仏でした。
共に、再訪でしたが、何度見ても惹き付けられ、見惚れてしまいます。

下永区・八幡神社の地蔵菩薩立像は、観仏日々帖「古仏探訪~奈良・磯城郡川西町・下永区の地蔵菩薩立像」で、ご紹介しました。

Y字状の流れるような衣文が魅力の、素晴らしき地蔵像です。

下永区・八幡神社の地蔵菩薩立像
下永区・八幡神社の地蔵菩薩立像


宮古区の薬師如来坐像は、その堂々たる姿に圧倒されてしまいます。
迫力あふれる平安前期仏像です。

宮古区・薬師如来坐像

宮古区・薬師如来坐像
宮古区・薬師如来坐像

奈良様の雰囲気を留め、乾漆造の造形表現を思わせますが、その圧倒的な重量感、重厚感は、平安前期木彫そのもの。
知られざる見事な古像だと、あらためて感じました。

同好メンバーと、奈良まちで仏像談義に花を咲かせながら飲んだ酒は、五臓に沁みて、本当に美味かった。



【3月】

1.栃木・鹿沼市の「医王寺の仏像特別見学会」と益子・西明寺に出かけました。

栃木方面観仏探訪先

医王寺・特別見学会ポスター

医王寺では、2013年「金堂」の修復落慶を記念し、図録「医王寺の仏像」が刊行されました。

今回の特別見学会は、その調査研究成果を踏まえて、専門研究者の解説により、非公開仏像が特別公開されたものでした。


医王寺には、平安時代から鎌倉時代の仏像が、約30躯のこされており、御住職も調査研究に大変前向きな方で、興味深く拝観しました。


医王寺へ行ったその足で、ついでに、益子・西明寺の仏像群を拝しました。

本尊秘仏・十一面観音立像(平安・県指定)も、午年開帳で拝することが出来ました。
西明寺の木彫群は、近年、秘仏厨子のなかから、バラバラに破損した鎌倉時代の仏像群が見つかり、県指定文化財とされると共に、1987年から5年かけて解体修理が行われたものです。
解体修理は、本間紀夫氏主宰の仏教造型研究所で行われました。
本間氏は、観仏日々帖「新刊・旧刊案内~木彫仏の実像と変遷」でご紹介した、紹介書の著者の方です。

聖観音他の木彫群(鎌倉)が、堂内に林立する姿は、なかなかの壮観でした。

西明寺・本堂仏像群安置状況

西明寺・本堂の仏像..西明寺・本堂の仏像
西明寺・本堂の仏像群

ついでに寄った、益子焼の町、浜田庄司記念館も、なかなかの趣で、何やら心がほっとするようなホッコリ感に包まれました。

益子・浜田庄司記念館
益子・浜田庄司記念館


観音の里の祈りとくらし展ポスター
2.東京藝術大学美術館で開催された、観音の里の祈りとくらし展-びわ湖・長浜のホトケたち-」に出かけました。
長浜市と東京芸大の共同開催で、湖北に遺る約20体の平安時代の観音像が展示されました。
こじんまりした展覧会でしたが、地域の人々によって、大切に現代まで守り継がれてきた、湖北の仏像達の展覧会で、ほのぼのあたたかな気持ちとなる展覧会でした。

菅山寺・十一面観音立像
菅山寺・十一面観音立像
この展覧会の目玉は、なんといっても、赤後寺・日吉神社の千手観音立像(重文・平安前期)でした。
戦火や廃仏毀釈の嵐の中から、里人が守り通してきた仏像ですが、出展諸仏像のなかでは、抜きん出た迫力、造形力で、見事なものでした。

近年の調査で、「木心乾漆像」であることが判明した菅山寺・十一面観音立像(長浜市余呉町坂口・市指定文化財・平安前期)も、湖北における木心乾漆の作例の一つとして、注目されるものでした。


関西から上京した同好の方との展覧会見学、昼からイタリアン&ワインで酒盛り、いい気分になってしまいました。


【4月】

1.関西での同窓会やOB会のついでに、奈良・飛鳥の古仏を、少しばかり見て回りました。

明日香観仏探訪先

電動レンタサイクルに乗って、2時間ほどの明日香古寺仏像巡りとなりました。
電動自転車は、岡寺に至るあの急坂を、ラクラク登っていけます。
びっくりラクチンでした。

川原寺の持国・多聞天立像は、初めて拝する仏像でした。
平安前期の立派なの天部像ということで、一度、拝したいと思っていたのですが、なかなか機会がなく、そのままになっていたのです。
礎石が並び整備された川原寺址の傍に、ひっそりと建つ寂れた川原寺本堂のなかに祀られ、知る人の少ない仏像です。

河原寺・伽藍址と現在のお堂
河原寺・伽藍址と現在のお堂

河原寺・持国天立像..河原寺・多聞天立像
河原寺・持国天立像、多聞天立像

ようやくの拝観となったのですが、果たして、期待通りの仏像でした。
聖宝が当時の別当に在任していた頃(879~887)の制作と伝えられますが、そのとおりの、のびやかで量感に満ちた堂々たる風格の天部像です。
風雨にさらされたのか、随分、損耗したところがあるのが残念です。


橘寺の日羅像、地蔵菩薩像は、聖倉殿(収蔵庫)に安置されており、春秋一定期間しか公開されていません。
そのタイミングを狙って訪れました。
日羅像は、以前は奈良博に常時陳列されていたなじみの仏像でしたが、地蔵菩薩像は、今回が初めての拝観でした。
両股を隆起させたY字状衣文は日羅像と同形式ですが、平安中後期の作らしい、温和な造形の仏像でした・

橘寺・日羅立像..橘寺・地蔵菩薩立像
橘寺・日羅立像(左)、地蔵菩薩立像(右)


2.湖西、高島市の保福寺の釈迦如来像を訪ねました。

保福寺他観仏先

この仏像も、井上正氏の「古密教彫像巡歴」に採り上げられている仏像です。
湖西線の新旭駅が最寄り駅という、少々不便なところに在るお寺ですが、
「井上正氏、採り上げ仏像の全てを見てやろう」
という一環で、出かけてみたのです。

思いの外に、素晴らしい釈迦如来像でした。

保福寺・釈迦如来坐像
保福寺・釈迦如来坐像

観仏日々帖「古仏探訪~滋賀県高島市・保福寺の釈迦如来坐像」で、なかなかの仏像であることを、紹介させていただきました。

保福寺のご住職ご夫妻には、温かくお迎えいただき、親切にして頂きました。
心よりの感謝です。



3.神奈川県川崎市の能満寺の聖観音菩薩立像が、12年に一度の午年ご開帳中ということを知り、訪れました。

能満寺

能満寺・聖観音菩薩立像は、川崎市最古の10世紀制作といわれる平安古仏です。
川崎市・横浜市エリアでは、10世紀まで遡る平安古仏は、本像ぐらいかと思われますので、一度、是非拝してみたいと思っていた平安古仏でした。

江戸時代の修復により、顔部の相当手が入っていて玉眼になっているなど、体部との釣り合いが悪くなっていますが、胸から下の造形や衣文の彫口などは平安前期のボリューム感やダイナミックさの名残を十分とどめています。
ずんぐりとした体躯や、誇張気味の身体の捻りなどは、平安時代東国の土臭さのようなものを感じますが、それなりの力感を感じる仏像でした。

能満寺・聖観音菩薩立像
能満寺・聖観音菩薩立像


4.東京国立博物館の新指定重要文化財展を観に行きました。

この新指定重要文化財展は、その年度に新たに重要文化財に指定された文化財を、東博に展示し観覧に供するもので、毎年、恒例の展示になっています。

東博・新指定重要文化財展出品仏像

展示仏像は、ご覧のとおりでした。

九品寺の聖観音立像が、重要文化財に新たに指定されたのは、大変うれしく思いました。
この観音像は、長らく、現在閉鎖中の琵琶湖文化館に寄託展示されている仏像です。
京都・八瀬文化財保存会・十一面観音立像に近く、善水寺の梵天・帝釈天像に造形がよく似ている仏像で、10世紀の制作とみられています。
優れた彫技で、おだやかな丸顔が印象的です。
平安中期の仏像の良さがよく出た像で、見どころあるお気に入りの仏像です。

当麻寺本堂の十一面観音像の重文指定も、なかなかの注目でした。
この像は、当麻寺本堂内の目立たない右脇の間の奥に安置されている等身大の像です。
平安前期、9世紀の制作とみられています。
像の大半は、足先から蓮肉部まで含めて一材から彫出される一木彫で、野性味のある雄渾さが印象的な、迫力ある像です。
彫刻史の王道からちょっと横道にそれたような、アクの強さが前面に出た仏像なのですが、このような仏像が重文指定を受るようになったのだなあと、ちょっとばかり感慨を覚えました。

九品寺・聖観音立像...当麻寺本堂・十一面観音像
九品寺・聖観音立像(左)、当麻寺本堂・十一面観音像(右)


【5月】

なんといっても、5月は行楽シーズン、どこへ行っても人ばかりという処です。

大人しくしていようかと思いましたが、新緑さわやかな素晴らしき季節です。
観光地を避けつつ、やはり観仏探訪へ、ということになってしまいました。


法隆寺-祈りとかたち展
1.まずは、東京藝術大学美術館で開催された「法隆寺-祈りとかたち展」に出かけました。

法隆寺金堂に安置される、国宝・毘沙門天像、吉祥天像(重文・12C)が、出展されました。
この両像は、法隆寺金堂に安置されています。

この像の見どころは、鮮やかな繧繝彩色と切金文様の素晴らしさですが、法隆寺金堂では遠くから薄暗い照明の中で、その姿をクリアーに観ることは叶わず、その美しさがほとんど判りません。
博物館の明るい照明の中で観ることができ、その鮮やかな美しさを十二分に堪能でました。

法隆寺金堂・吉祥天立像...法隆寺金堂・毘沙門天立像
法隆寺金堂・吉祥天立像(左)、毘沙門天立像(右)


鈴木空如の法隆寺壁画模写を観ることが出来たのは、大収穫でした。

鈴木空如は、法隆寺壁画の模写に人生をささげた人です。
生涯に三回、三組の模写を行っており、その制作時期は、大正5年から昭和11年の20年間に亘っています。
誰の助けもなく、単身堂内に足場を組み、汗にまみれ、時にこごえる身で、ロウソクの明かりだけを頼りに大紙をあやつり、すべて自己の負担で遂に壁画12面を模写し終えたといわれています。
眼前に見るのは、初めての事でしたが、空如の祈りが込められたような美しく見事な模写に、心打たれました。

鈴木空如・法隆寺壁画模写..鈴木空如
鈴木空如・法隆寺壁画模写と鈴木空如


2.高知県の仏像探訪に、同好の方々と2泊3日で出かけました。

今年は、四国・西国八十八か所・霊場開創1200年で秘仏一斉ご開帳が行われていますし、高知・竹林寺文殊菩薩像が50年ぶりに御開帳されるというので、思い切って出かけたのです。

実は、高知の仏像の観仏探訪には、これまで訪れたことが無かったのです。
香川、徳島、愛媛も仏像は、これまでに一応の探訪をしたことがあるのですが、高知は未体験、念願の仏像探訪であったのです。

高知方面観仏探訪先

ご覧のとおり、結構頑張って、精力的に回りました。

ずいぶん沢山廻りましたので、仏像尽くしで腹一杯となってしまい、一つ一つの印象、記憶が、希薄になってしまった感じです。

目玉の、50年ぶりに御開帳、竹林寺文殊菩薩像は、残念ながら期待したほどの感動というほどではありませんでした。
とりわけ印象に残ったのは、二つの仏像でした。

一つは、四国・土佐の地方色満点の魅力ある仏像。
大豊町・豊楽寺の3躯の如来坐像です。
至文堂刊「日本の美術226・四国の仏像」の表紙にも使われている仏像です。

「日本の美術226・四国の仏像」表紙~豊楽寺・釈迦如来像
「日本の美術226・四国の仏像」表紙~豊楽寺・釈迦如来像

釈迦如来像には、仁平元年(1151)の像内銘がある仏像ですが、随分と古様を伝えています。
10~11世紀といわれても、そうかなと思ってしまうぐらいです。
猫背でずんぐり、豪放さを残す造りで、地方の匂いを発散させています。
四国・高知の土地に根差す仏像に出会うことが出来た、という印象でした。


もう一つは、笹野大日堂の大日如来坐像です。

笹野大日堂・大日如来坐像
笹野大日堂・大日如来坐像

運慶作といわれる、光得寺・大日如来、真如苑・大日如来の造形、シルエットに似た感じの像です。
上げ底式内刳りになっている処も、運慶式と共通しています。

笹野大日堂での祀られている様子
笹野大日堂での祀られている様子
この像は、鎌倉末~南北朝時代の制作とされ、さほど注目はされていませんでした。
平成18年(2006)に、青木淳氏(現多摩美術大学美術学部准教授)をはじめとする文化財調査が行われた際、湛慶もしくはその工房作品と考えられる鎌倉中期の優作であるとの所見が発表され、一躍注目を浴びた像です。

像高49.3㎝の小さな大日像ですが、なかなか優れた出来の像で、湛慶工房の制作というのは、そのとおりだなと強く惹かれるものを感じました。
須崎市・笹野という小さな村で、祠のような小さな大日堂に祀られています。
地区管理で、地元の人々によって、大切に守られていました。

続けて、雪渓寺を訪れて、湛慶作の毘沙門天像ほかの諸像を拝しましたが、「さすが湛慶!」という、見事な出来でした。
笹野大日堂の大日如来坐像も、この造形のレベル感の延長線上にある仏像だなと、納得した次第です。

雪渓寺・湛慶作毘沙門天像
雪渓寺・湛慶作毘沙門天像

観仏探訪のほかには、赤岡の「絵金蔵」、坂本竜馬記念館、桂浜などへも寄ってみました。
土佐の絵金は、何やらおどろおどろしいのですが妖しき魅力があり、一種不可思議な気持ちに惹き込んでくれました。

赤岡の絵金祭り
赤岡の絵金祭り

高知では、連日の酒盛り。
酔鯨、司牡丹、土佐鶴、・・・・・・・と、銘酒を順番に飲みくらべ、飲み続け、さすがに二日酔いといったところです。
カツオのたたき、クジラのさえずりも美味かったし、鯖の刺身は活きが良くて絶品で感動。


2.妻と小浜~京都の2泊3日、小旅行に出かけました。

日頃、一緒に出掛けるということも少ないので、ちょっと罪滅ぼし気分も含めての旅行です。
しかし、結局、観仏づくしのような旅行になってしまい、趣旨のわきまえ足らずかと、小反省。

小浜方面の観仏先は、ご覧のとおりです。

若狭小浜方面観仏探訪先

京都から、車で、鯖街道を北上、葛川あたりを通って、小浜へ入りました。

葛川の花折トンネル近くの「鯖街道・花折」で、鯖寿司を食べました。
さすがに美味、下賀茂の京都店で食べるのとは一味違って、新緑の山あいで涼風通り抜けるなか味わった鯖寿司を堪能。

葛川「鯖街道・花折」
葛川「鯖街道・花折」


羽賀寺・十一面観音立像
羽賀寺・十一面観音立像
小浜での観仏は、今更というほどの有名処を訪ねました。

羽賀寺、多田寺の仏像は、何度訪れ拝しても、それぞれに魅力あふれ、興味深い像だと感じました。

多田寺さんに、2013年春、京都・龍谷ミュージアムで「若狭・多田寺の名宝展」の図録が、沢山積み上げられていました。
思いの外、売れなかったので、随分余っているとのお話でした。

大注目の素晴らしい展覧会だったのですが、こうした展覧会企画や図録販売は、なかなか悩ましい面があるようです。

多田寺・薬師如来立像脇侍像
多田寺・薬師如来立像脇侍像

ほかには、若狭神宮寺で若狭井をみてから鵜の瀬へめぐり、「お水送りの神事」に思いを致したりという処でした。

鵜の瀬
鵜の瀬

小鯛笹漬で知られる田中平助商店に寄って、これまた絶品のぐじの干物など、美味い干物を注文して、小浜を後にしました。


南山城の古寺巡礼展ポスター
京都へ戻って、京都国立博物館で開催の「南山城の古寺巡礼展」を観てきました。

さすがに人気で、なかなかの混雑。
3m近い、禅定寺の十一面観音立像の出展が、大目玉という処でしょうか。

多くの南山城の古仏が出展されていましたが、浄瑠璃寺・多聞天像(四天王のうち1躯出展)の極めてハイレベルな出来の良さ、美しさを、今更ながらに再認識しました。

浄瑠璃寺・多聞天立像
浄瑠璃寺・多聞天立像

海住山寺の小さな「大仏殿様」の四天王像
この像も、大変出来がよく、出展諸像のなかでは、精彩を放っていたように感じました。

海住山寺・持国天立像..海住山寺・増長天立像
海住山寺・持国天立像(左)、増長天立像(右)

そのあとは、観仏は脇に置いておいて、京の町をゆっくり楽しみましたが、ゆっくりついでに、また雨宝院へ寄ってしまいました。

雨法院

何度も訪ねている、私の大変お気に入りの仏像です。

雨法院・千手観音立像
雨法院・千手観音立像

ちょっと一般受けしにくいかもしれませんが、京に在って、奈良様の伝統をとどめた平安前中期仏の傑作だと思っています。
おだやかそうですが、堂々たる重量感で、腰回りの太さにはびっくりさせられます。
なるべく、有名にならないで欲しいと願っています。


6月は、何かと忙しく、観仏はお休みとなりました。

以上が、2014年1~6月、6か月の観仏探訪総まくりでした。

結構多いのか?
それほどでもないのか?
如何でしたでしょうか。


次回は、後半戦7~12月の観仏探訪を、ご紹介したいと思います。

もう少し辛抱して、お付き合いください。

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