観仏日々帖

古仏探訪~2016年・今年の観仏を振り返って〈その2〉 4~6月   【2016.12.17】


「今年の観仏を振り返って〈その2〉」は、4月~6月の観仏探訪をご紹介いたします。


[4月]


【京滋美食旅行を満喫しすぎて、体調ゲンナリ~齢を悟る】


4月、飲み友達二人と、美食旅行と称して、一泊二日で京都方面に遊びに出かけました。

仏像探訪ではなくて、唯々、美味いものを食って、酒を飲もうというだけの旅です。



【寄ってみて良かった、四君子苑と山紫水明処】


初日は、北村美術館・四君子苑、山紫水明処、下賀茂神社を訪ねました。

北村美術館(河原町今出川付近)は、実業家で茶人であった北村謹次郎の蒐集品美術館です。
今回めざしたのは、特別公開していた北村の旧邸「四君子苑」で、初めて訪ねましたが、なかなかの趣ある数寄屋建築と庭園で、素晴らしき「粋」の世界を、堪能しました。

四君子苑・玄関

四君子苑
四君子苑~玄関と前庭

「山紫水明処」(河原町丸太町付近)は、頼山陽の書斎兼茶室であった処ですが、簡素、清新の佇まいで、賀茂川べりに東山を眺望する市中の山居の味わい深いものがありました。

山紫水明処

山紫水明処から鴨川を望む
山紫水明処~入口と室内から賀茂川を望む

頼家の方が管理される保存会に、見学予約が必要なのですが、わざわざ訪ねてみるだけの値打ち十分の山紫水明処でした。


美食旅行の夜は、河原町今出川近くの「御料理はやし」。
北村美術館の筋向いの、しもたや風の飾らぬ簡素な構えのお店です。

御料理「はやし」外観

御料理「はやし」お座敷
御料理「はやし」~外観と室内・座敷

流石の懐石料理でした。
本来の京好みというか、穏やかな薄味で素材そのものの味を生かした味付け。
器の好みはクッキリ系でしたが、味付けはホンノリ系。
「薄味すぎて」と感じる方も多いかもしれませんが、私には、これがぴったりで満足でした。



【白洲正子「かくれ里」で知られる、葛川明王院へ】


翌日は、京の北方、比良山系方面へ。
葛川明王院、興聖寺、保福寺などを訪ねました。

葛川明王院は、深山幽谷の安曇川渓谷にある、天台の回峰行の道場として知られ、白洲正子氏の「かくれ里」にも綴られています。

葛川明王院
葛川明王院への道

葛川明王院
葛川明王院本堂を望む

葛川明王院・本堂内
葛川明王院・本堂内

流石に、天台修験、回峰修験の聖地といわれるだけのことある処でした。

お昼は、葛川明王院への入り口にある、比良山荘。
「山の辺料理」で名高い料理旅館といわれる処ですが、こんなに山奥にあるのに、なかなかの人気で繁盛のようです。

山の辺料理・比良山荘

比良山荘
山の辺料理・比良山荘

今回は、昼食だけということにしましたが、美味しくいただき、お昼なのにちょっと飲み過ぎてしまいました。
こちらは、クッキリ系の切れの良い味付けです。
美形で評判の女将さんのお出迎えもあり、満足の時間でした。


折角、比良山、安曇川渓谷までやってきたので、興聖寺と保福寺の観仏に寄ってみることにしました。

観仏先リスト01~保福寺・興聖寺

保福寺・釈迦如来像は、なかなかの魅力の10世紀平安古仏です。

保福寺・参道入り口

保福寺・釈迦如来像
保福寺~参道入り口と釈迦如来像(平安中期)

一見穏やかそうなのですが「静謐なる存在感」を強く訴えて来る造形で、お気に入りの仏像です。
2年ぶりに、再訪しましたが、やはり心惹かれるものを感じました。
以前に、観仏日々帖
「古仏探訪~滋賀県高島市・保福寺の釈迦如来坐像」
で、紹介させていただいています。



【美味なる料理、うまい酒に、ついつい調子に乗ってしまい・・・・・】


この日の夜は、大津駅の傍の「割烹・成」で、一杯。

大津・割烹「成」
大津・割烹「成」

この割烹は、近江高島の鮒ずしの老舗「総本家・喜多品老舗」のご紹介。
喜多品の鮒ずしを肴に、一杯飲れる処を?というリクエストに、このお店を紹介いただきました。
新規開店間もない若夫婦お二人での店でしたが、料理は、素材、味付け共に流石のハイレベル、値段もリーズナブル、これだけの店はなかなかありません。
是非々々、繁盛してほしいものです。

お酒も進んで、調子に乗って、もう一軒!と、京都寺町二条のバー「カルバドール」にまで、寄ってしまいました。

寺町・バー「カルバドール」
京都寺町・バー「カルバドール」

リンゴから作ったブランデー、カルバドスだけを出す、珍しいバーです。
美味なるカルバドスに、またまた飲みが進んでしまいました。

馬鹿げた美食旅行の飲み食いの話ばかりで、申し訳ありませんでした。
調子に乗りすぎての過食、過飲が祟って、その後、体調不良に陥ってしまいました。
しばらくの間、調子が悪い日々が続いて、痛い目に遭いました。
もう、いい齢になっているのを、自覚しなければならないと、反省しきりでした。



翌日は、折角京都まで来たので、連泊。
美食旅行の飲み仲間と別れて、一人で、観仏に出かけました。

山科の安祥寺・十一面観音像と、大津・石山寺の秘仏、如意輪観音像の特別ご開帳に出かけました。
共に、まだ拝したことがない、未見仏像です。

観仏先リスト02~安祥寺・石山寺



【念願の山科安祥寺・十一面観音像を拝観~見事な奈良時代一木彫像に見惚れる】


安祥寺の十一面観音像は、10年ほど前、安祥寺の総合調査で、発見再評価された注目の半丈六立像です。

山科安祥寺・本堂
山科安祥寺・本堂

安祥寺・十一面観音像..安祥寺・十一面観音像
堂々たる天平風の一木彫~安祥寺・十一面観音像

天平彫刻風の造形感覚の、奈良時代の制作に遡るといわれる一木彫像です。
一度は拝してみたいと思っていた、念願の未見仏像です。
普段は、非公開になっているのですが、拝観をご了解いただき、拝観が実現しました。
想像以上の優作で、
「奈良時代に遡る、天平風の一木彫の世界」
というものを、強く感じる見事な仏像でした。

この安祥寺・十一面観音像については、観仏日々帖・
古仏探訪「山科区御陵平林町・安祥寺の十一面観音像」
で、紹介させていただきました。



【勅封秘仏御開帳に石山寺へ~温和な巨像、秘仏本尊・如意輪観音像】


その後は、大津まで足を伸ばして、石山寺の秘仏本尊・如意輪観音菩薩像の特別ご開帳、拝観に出かけました。

石山寺・山門
石山寺・山門

勅封秘仏本尊・観音像開扉を知らせる木札
勅封秘仏本尊・観音像
開扉を知らせる木札
この如意輪観音像は、勅封秘仏とされ、33年に一度の御開帳なのですが、ここ15年ほどの間では、開基1250年記念開帳などで、3回目の御開帳になります。

今回は、33年に一度の開帳年にあたり、7年ぶりのご開帳となります。
実は、私はたまたま、この如意輪観音像を拝したことがなくて、今回が、初のご拝観となります。
9ヶ月間にもわたる、長い期間の御開帳でしたので、この日は、訪れる人もまばらといった様子でした。

像高239㎝という巨像ですが、近寄って、じっくり見上げるように拝することが出来ました。
平安後期の温和な定朝様がうかがえる像で、予想通りのお姿という処でしょうか。

石山寺・秘仏本尊・如意輪観音像
石山寺・秘仏本尊・如意輪観音像

帰りは、過食過飲の体調不良で、グッタリ。



【毎年必見の新指定国宝・重文展~今年の刮目は清泰寺・菩薩像と宝山寺二童子像】


4月後半は、毎年恒例の、今年度の新指定国宝・重要文化財の仏像が、東京国立博物館で特別公開される月です。

平成28年度(2015)は、ご覧のような仏像彫刻、神像等が、国宝・重要文化財に新たに指定、展示されました。

観仏先リスト03~新指定文化財出展一覧

仏像愛好者にとっては、必見、愉しみにしている特別展です。

今年、2月の御開帳に、急遽駆けつけた、埼玉越谷、浄山寺の地蔵菩薩像も、ちゃんと重要文化財指定され、出展されていました。
それぞれのご紹介となると大変ですので、このリストでご容赦ください。
私の注目像だけを、1~2ふれさせていただきます。

まずは、清泰寺の菩薩坐像2躯は、私の好きな平安前期、9世紀の木彫像です。

枚方市清泰寺・二菩薩像
枚方市清泰寺・二菩薩像

以前から大変気になっており、一度は拝したい平安古仏だったのですが、なかなか枚方市まで訪れる機会がなく、未見となっていたものです。

「構造や作風は奈良博・薬師如来像(国宝) や四天王寺・阿弥陀三尊像(重文)中尊などに通じ、同系の作者の手になることを思わせる。」

と解説されています。
30センチほどの小像ですが、ちょっとエキゾチックで出来の良い魅力的な仏像でした。



【江戸仏師の力感あふれる彫技にビックリ~宝山寺・制吒迦童子像の、傑出した造形表現力】


もう一つの大注目は、宝山寺の不動明王像脇侍、制吒迦童子・矜羯羅童子像でした。

生駒市宝山寺・制タ迦童子像.生駒市宝山寺・矜羯羅童子像
生駒市宝山寺~(左)制タ迦童子像、(右)矜羯羅童子像

今回の重要文化財新指定は、不動明王像と4躯の脇侍像だったのですが、東博には、矜羯羅・制吒迦の二童子像が出展されていました。
これらの諸像は、江戸時代の造立で、不動像は僧・湛海の自作、脇侍二童子像は元禄年間に院達の手によって制作されたとされています。
実の処、江戸時代の仏像ということで、これまで、ほとんど関心がなかったのですが、二童子像の実物を見て、そのダイナミックな躍動感ある造形にビックリしてしまいました。
とりわけ、制吒迦童子の出来は、江戸彫刻とは信じられないような、活き活きした生彩を放つ素晴らしい出来です。

生駒市宝山寺・制タ迦童子像
生駒市宝山寺・制タ迦童子像

江戸時代の仏師も、これだけの見事な力感ある造形表現力を備えていたのだと、本当に感心してしまいました。



【運慶作なのか?~悩ましく興味深い静嘉堂・十二神将像(浄瑠璃寺伝来)】


4月の末には、静嘉堂美術館で開催された、特別展「よみがえる仏の美~修理完成披露に寄せて」を観に行きました。

観仏先リスト04~静嘉堂文庫・十二神将像

静嘉堂美術館・「よみがえる仏の美展」ポスター.静嘉堂美術館蔵・浄瑠璃寺伝来十二神将像(卯)
「よみがえる仏の美展」ポスターと静嘉堂美術館蔵・浄瑠璃寺伝来十二神将像(卯)

近年、
「運慶作か?と、話題の仏像、浄瑠璃寺伝来・木造十二神将立像のうち4躯」
などと報じられた像が、
修理を終えて展示されるというので、出かけたのでした。

当日開催の、運慶研究の第一人者、山本勉氏の講演会「十二神将像のひみつ―浄瑠璃寺伝来の一具と運慶」も、聴講しました。
講演会は、整理券があっという間になくなってしまうという、大変な人気ででした。
「運慶」という名の威力を、今更ながらに、感じました。
この十二神将像の話は、興味深い話なのですが、長くなってしまいますので、此処では止めておきます。



[5月]


【51年ぶりの秘仏御開帳に駆けつけた、法界寺・薬師如来像~見事な截金文様】


5月に入りました。

ゴールデンウィークは、何処もかしこも混雑しますので、出かけないようにしているのですが、今年だけは特別で、京都まで出かけてしまいました。
京都市伏見区の法界寺の秘仏本尊・薬師如来立像が、10日間に限り、特別公開となったのです。
京都古文化保存協会による「非公開文化財特別公開」で、公開されることになったのですが、なんと51年ぶりの、御開帳特別公開なのです。

日野法界寺・薬師像開扉看板の掲げられた山門
日野法界寺~秘仏・薬師像開扉看板の掲げられた山門

この機会を逸すると、私の齢では、もう拝観は望めそうにありません。
5月1日に、思い切って、一泊で京都まで出かけました。

観仏先リスト05~法界寺・恵福寺

秘仏薬師像拝観の人で賑やかな法界寺・薬師堂
秘仏薬師像拝観の人で賑やかな法界寺・薬師堂

秘仏・薬師如来像は、永承6年(1051年)頃の制作、温和な藤原風の素木像です。

法界寺・薬師如来像..法界寺・薬師如来像~側面
繊細華麗な截金文様の法界寺・薬師如来像

厨子正面の扉は開扉されず、脇の扉からの側面だけの拝観でしたが、超絶技巧の繊細華麗な截金文様を、十分堪能することが出来ました。



【京の豪商の底力を思い知る~杉本家住宅の、見事な端午の節句のしつらえ】


翌日は、京町屋の名門、奈良屋杉本家住宅が特別公開されていたので、寄ってみました。
奈良屋杉本家は、江戸時代から続いた、呉服商の超老舗で、住宅は重要文化財に指定されています。
老舗の豪商の町屋というのは、流石なものだと、唯々、感心です。

奈良屋杉本家・玄関
奈良屋杉本家・玄関
杉本家住宅内にしつらえられた端午の節句の飾り物の一部
杉本家住宅内にしつらえられた端午の節句の飾り物の一部

邸内各部屋は、端午の節句のしつらえで飾られていましたが、京の金持ちの商家の伝統と威力を思い知らされる、見事な品々の数々でした。

最近のベストセラー、井上章一著「京都ぎらい」の冒頭に、仏文学者、故杉本秀太郎に洛外育ちを侮蔑されたように云われたというエピソードが語られていますが、その杉本秀太郎の生家が、この奈良屋杉本家です。



【京の町中で見つけた、静かなカフェと素敵な粉引のカップ】


この京都旅行で、雰囲気の良い静かなカフェを見つけました。

中京区御幸町通二条にある、「MOLE(モール)」という、喫茶店です。
緑に覆われた、アジアンテイストのお店ですが、ゆったりと静かな時が流れるという言葉がぴったりの店です。
行きつけの喫茶店になりそうです。

緑に囲まれ静かな喫茶「モール」
緑に囲まれ静かなカフェ「モール」

お店で使われていた大ぶりの茶碗のような粉引のコーヒーカップ、滋味があって大変気に入ったので、マスターに「どこで買ったの?」とお聞きすると、近所の「丁子屋」というお店だということ。

「モール」で使われている粉引のコーヒーカップ
「モール」で使われている粉引のコーヒーカップ

早速、寺町二条の「グランピエ・丁子屋」という店を訪ねてみました。

「モール」で教えてもらった「グランピエ・丁子屋」
「モール」で教えてもらった「グランピエ・丁子屋」

粉引の焼き物など置いてそうにない、畑が違いそうな品揃えのお店でしたが、2階の奥の奥に、MOLEで見つけたカップと同じ作家の粉引が置いてありました。

ビックリするほど安かったので、徳利と盃をいくつか買ってしまいました。
早速、我が家の晩酌の、愛用のお気に入り徳利と盃になっています。

「丁子屋」で買った粉引の徳利~愛用中「丁子屋」で買った粉引の盃~愛用中
「丁子屋」で買った粉引の徳利と盃~愛用中



[6月]

6月です。

仏像愛好の会「天平会」の播磨観仏探訪の会に参加することにしました。
この天平会は、伝統あるの仏像愛好の団体で、毎月探訪会が開催されているのですが、関東から毎月参加という訳にもいかず、年に1~2回参加させてもらっています。

天平会の前日には、奈良、大和郡山の矢田寺・金剛山寺、東明寺に同好の方と出かけました。

観仏先リスト06~金剛山寺・東明寺



【天平風一木彫の世界を見つめなおしたくなる、矢田寺・十一面観音像】


金剛山寺は、春の特別ご開帳期間にあたっており、十一面観音像、地蔵菩薩像等を拝することが出来ました。

アジサイ満開の矢田寺金剛山寺
アジサイ満開の矢田寺金剛山寺

アジサイの花が満開で、まさに「アジサイ寺」そのもの、アジサイ見物の人々で、結構混雑していました。
十一面観音像は、まさに天平彫刻風の木彫像で、奈良時代後期の制作とみられています。

矢田寺・十一面観音像..矢田寺・十一面観音像
矢田寺金剛山寺・十一面観音像

蓮肉まで一木(当初)の、キリ材の一木彫像ということですが、
「奈良時代当時、伝統的天平風造形の仏像は、乾漆や塑像だけではなく、一木彫像もしっかり造像されていた。」
ということを、確かに実感させる造形の像でした。

安祥寺の十一面観音像のご紹介の処でもふれたのですが、

「奈良時代の天平風一木彫像の世界」

というものを、しっかりと見つめていく必要を、今更ながらに感じました。



【鋭い造形力、精神性を再発見した、東明寺・薬師如来像】


東明寺は、何度目かの拝観でしたが、今回は、薬師如来像の造形の魅力をしっかりと実感できることが出来ました。

東明寺・山門
東明寺・山門
東明寺・薬師如来像
東明寺・薬師如来像

いつも、お堂のなかが少々暗くて、お姿をはっきりと拝しにくかったのですが、今回は明るい照明の中で、しっかり目を凝らして拝することが出来ました。
ちょっと、ちょっと奈良の地方的な匂いのする仏像のように感じていたのですが、そんなことはありませんでした。

インド風の容貌で、お顔から胸にかけての造形表現は、なかなかに見事なものです。
鎬だった衣文の彫口も、鋭く緊張感があり、相当の造形力と精神性ある仏師の手になる一木彫像だと、感じました。



【リニューアルオープンの「なら仏像館」~新発見、室生寺・二天像(9C)を実見】


この後、約1年半ぶりに、改修を終えて、4月末にリニューアルオープンした、奈良博「なら仏像館」に寄りました。

リニューアルオープンした「なら仏像館」
リニューアルオープンした「なら仏像館」

照明が全部LEDになって、仏像彫刻の魅力を引き出すようなスポット照明になっています。
昨年(2015)7月に、室生寺仁王門の2階内部から新発見された、二天王像が展示されていました。

観仏先リスト07~室生寺・二天像


新発見の室生寺・二天像(9C).新発見の室生寺・二天像(9C)
新発見の室生寺・二天像(9C)

奈良博の解説には、
「太造りで量感に富んだ塊量的な体系が印象的で、造立年代も9世紀末頃を中心に考えることが出来、今後注目を集める作例といえよう。」
とありましたが、
まさにそのとおりで、興味深い平安前期像でした。



【「天平会」開催、播磨仏像探訪に参加】


翌日は、天平会の例会に参加、40人ほどのバス旅行で、播磨仏像探訪です。
丹波市の達身寺、多可郡八千代町の楊柳寺、小野市の浄土寺を訪ねました。

観仏先リスト08~達身寺・楊柳寺・浄土寺

いずれの寺々も、もう何度も訪れたことがあるのですが、天平会の講師、帝塚山大学の杉崎貴英先生の興味深い解説を聴きながら、同好の方々との仏像談義に花を咲かせながらの観仏で、大変愉しいものとなりました。



【学生時代、お寺に泊めてもらった達身寺~見違えるほど立派に】


達身寺の平安古仏の膨大な仏像群は、何度拝しても、なかなかの圧巻です。

丹波・達身寺

達身寺本堂に祀られる古仏群
丹波・達身寺と達身寺本堂に祀られる古仏群

最初に、達身寺を探訪したのは、50年近く前、学生の頃です。
皆で、達身寺に泊めていただき、大変に親切にしていただいたことを、思い出しました。
その頃と較べると、立派な収蔵庫もでき、見違えるように、きれいに整備されています。

達身寺・薬師如来像達身寺・トバツ毘沙門天像
達身寺~(左)薬師如来像、(右)トバツ毘沙門天像

学生時代・約50年前に撮影した薬師如来像の写真学生時代・約50年前に撮影したトバツ毘沙門天像の写真
学生時代・約50年前に撮影した思い出の写真



【「気」を吐き付ける楊柳寺・十一面観音像~みなぎる霊気】


楊柳寺は、今回は、楊柳観音像は秘仏で拝することはできませんでしたが、霊気みなぎり「気」を吐くがごとくの、十一面観音像のオーラをしっかり拝することが出来ました。

楊柳寺・山門
楊柳寺・山門

楊柳寺・十一面観音像.楊柳寺・十一面観音像
「霊気」を吐くがごとくの楊柳寺・十一面観音像

楊柳寺の諸仏像については、観仏日々帖・
古仏探訪「兵庫・多可郡 楊柳寺 楊柳観音・十一面観音像」〈その1〉〈その2〉
で、紹介させていただいています。

浄土寺は、今度こそ、阿弥陀三尊像の背後から西日が射し込み、後光を浴びて来迎するがごとくの姿と拝したかったのですが、またもや残念。
しっかりと曇り空で日は射さず、また次回へのお預けとなってしまいました。



【日韓の看板国宝、二つの半跏像が対面した、東博「ほほえみの御仏」展】


東京国立博物館で開催された、「ほほえみの御仏~二つの半跏思惟像」展に出かけました。

日韓共同開催「ほほえみの御仏~二つの半跏思惟像展」ポスター


国宝・中宮寺半跏思惟像と韓国国宝78号・韓国国立中央博物館蔵・半跏思惟像の2躯が同時に出展される展覧会で、日韓国交正常化50周年を記念して、日韓共同開催で実施されました。
2躯の国宝仏像だけの展示という特別展でしたが、流石に、多くの観覧車で賑わっていました。

広隆寺宝冠弥勒像と、これとそっくりな韓国国宝83号・韓国国立中央博物館蔵が並んで展示されるというようなことがあれば、これこそ驚きのビッグニュースになるのでしょうが、この実現はちょっと難しそうです。



【近年、東博蔵となった十一面観音像(9C)を、平常陳列で注目、発見】


平常陳列の方も覗いてみました。
普段は見かけない平安古仏で、気になる像が二つ展示されていました。

観仏先リスト09~東博蔵・十一面観音、養福寺

養福寺の二天像は、数年前に平安時代の仏像であることが、文化財調査で新たに判明した像だそうです。
江戸時代に、地方から養福寺に移された像ではないかとみられているようですが、素朴で野趣ある地方仏の雰囲気を発散する、面白い一木彫像でした。

東京都荒川区・養福寺の二天像
東京都荒川区・養福寺の二天像


もう一つ、東博蔵の十一面観音像は、なかなか魅力的で、注目の一木彫像でした。

東博蔵・十一面観音像(9C)
東博蔵・十一面観音像(9C)

いかにも平安前期、ちょっとエキゾチック、なかなかの彫り口の魅惑的な造形です。
9世紀の制作とされているそうです。
この仏像のことは全く知らなくて、初めて展示されているのを見ました。
東博に照会してみると、平成21年(2009年)度の東博新蔵品で、その前は個人蔵、伝来は不明だそうです。
東博には、たまにしか展示されない仏像でも、なかなかに、興味深く魅力的な仏像があるものです。



ダラダラと、仏像に関係ないことまで、随分長く綴ってしまいました。
これで6月まで、やっと半年分です。

もう少し我慢してお付き合い下さい。


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